技術コラム

汎用ライセンシングソフト製品活用による
開発コスト・リソース削減
ソフトウェアを「一度販売して終わり」から「安定した収益化」へ

ライセンシングソリューションによる、継続的なソフトウェアの収益化

ソフトウェア製品の継続的な収益化を実現する方法として、ライセンシングソリューションが挙げられます。バージョンの変更や機能の追加など、ソフトウェアの拡張性は、現在の需要や将来の展望を反映したライセンスビジネスモデルにおいて重要な要素の一つです。また、使用期間や使用人数に応じたライセンス設定により、継続的な収入増加が期待できます。

さらに、途中で機能が増える形態のソフトウェア製品(複雑なライセンスシステム)においても、ライセンスモデルを活用することで、容易に対応したライセンシングを付与できます。
これにより、本来の主軸である開発にリソースを集中させることができ、自社製ライセンスシステムの開発にかかる工数や予算を削減できます。また、ハードウェアが共通で、ソフトウェア機能別に製品を供給する場合には、ライセンシングを通じて生産や在庫管理を容易にすることができます。

このように、拡張性や柔軟性を収益化に反映させる手段として、ライセンシングソリューションはソフトウェア開発や販売において、重要な検討事項と言えます。

Wibu-Systemsのライセンシングソリューション

ソフトウェアのライセンスビジネスにまつわる幅広い要望と課題

ソフトウェアのライセンスビジネスを検討する際には、さまざまなケースに基づいた要望が出てきます。 例えば、『評価版』『大企業向けのネットワークライセンス』『グローバル展開を見越した強力な保護』『社内システムと連携した受発注の効率化』などです。 これらすべてを実現するライセンシングシステムを自社で開発するには、多くの開発工数が発生します。

Wibu-Systemsのライセンシングソリューションなら、
さまざまな要望に対応しながら、ライセンスビジネス化を実現できます。

WiBUSystemsの、CodeMeter LicenseCentralを活用することで、ライセンシング機能に容易に対応することが可能になります。 ライセンス技術が収益化や技術要件、ライセンス発行に関わる確立された社内プロセスにどのように適合するかを考慮し、ソフトウェアの実行時にライセンスの有無やその要件を検証します。要件を満たさない場合には、ソフトウェアの保護対策を解除せず(実行できない)、ライセンスの形態と数十種類の制約を組み込んだ生成が可能です。

また、こうしたライセンシングに対して悪意のある解読が行われる懸念もありますがWiBUSystemsのCodeMeterではライセンスデータ内の情報が解読されないように暗号化します。暗号化は長年の経験に基づく独自のセキュリティ技術を用いており、セキュリティ強化における暗号化への開発コスト削減も期待できます。 この後の項目では、WiBUSystemsのCodeMeter LicenseCentralの特徴や暗号化技術について詳しく紹介します。 

Wibu-SystemsのCodeMeter LicenseCentralの特徴(機能抜粋)

ライセンスの共有

ネットワークライセンスの共有は、多くの企業ユーザーが望む機能の一つです。例えば、CRMは常にアクセスされ、定期的な見直しや更新が行われますが、営業やユーザーサポート、財務など、一部の部門のユーザーはライセンス制限により、一度に数分間しかCRMにアクセスできない場合があります。
このような状況において、Wibu-SystemsのLicenseCentral(柔軟なライセンシングシステム)を導入することで、ソフトウェアを特定のケースやユーザーに限定するのではなく、多くのケースに対応できます。

ライセンスの借用

通常、ライセンスは譲渡することができません。しかし、状況によってはライセンスを柔軟に借用できる状態にしておくと便利な場合があります。
例えば、長期間オフライン環境で作業するユーザーが、一時的にソフトウェアへのアクセスが必要となるケースが考えられます。
この場合、Wibu-SystemsのLicenseCentral(柔軟なライセンシングシステム)を活用することで、ユーザーは事前に設定した期間内にライセンスサーバーからネットワークライセンスを「チェックアウト」し、使用が終わり次第、サーバーに「チェックイン」することができます。
借用したライセンスはユーザーのコンピューターに紐付けられ、借用期間中はライセンスサーバーとの通信が不要になります。

AxProtector製品:ソフトウェア全体を暗号化するツール

従来のシングルユーザーライセンスやネットワークライセンスなどのライセンスモデルに加え、最新の利用状況に応じたライセンスモデルやユーザーベースのライセンスモデルを含む包括的なライセンスモデルを適用できます。 ライセンスモデルは、プロダクトコードとプロダクトアイテムオプションで定義されています。提供可能なライセンスモデルは以下の通りです。

  • シングルユーザー ライセンス
    ライセンスは、ローカルPC、ローカルデバイス、またはローカルPCに接続されているCmDongle(USBスティック)に保存されます。ソフトウェアはCmDongleが接続しているコンピュータ/マシン上で動作します。
  • シングルユーザー ライセンス(仮想マシン)
    通常ライセンスが仮想マシンにバインドされている場合、仮想マシンをコピーするとライセンスは無効になります。本オプションは、仮想マシンを移動する場合はライセンスを有効にする(High Availability)か無効にするかを決定します。
  • ネットワーク ライセンス
    ライセンスはネットワーク内のライセンスサーバーに保存され、フローティングライセンスとして使用可能になります。
  • フィーチャーオンデマンド ライセンス
    個々のライセンスを設定し、特定の製品機能とモジュールを有効にすることが可能になります。これによりアドオンの販売を通じてさらなる売上を生み出すことができます。
  • 永久ライセンス
    ライセンスは恒久版として発行することができます(期限切れになることはありません)。
  • デモ/トライアルライセンス
    ユーザーは、オーナーが指定したソフトウェアの機能(デモ/トライアル部分の機能)のみ使用可能になります。
  • レンタル/リース/サブスクリプションライセンス
    ライセンスの有効期間を指定します。 また、CodeMeter License Centralは自動的にライセンスの有効期間を延長の設定をすることができます。
  • ペイパーユーズ ライセンス
    請求は使用したユニット数に基づきます。請求単位が時間または機能に基づくのか、および使用前/後に決済を行うのかを決めることができます。
  • ソフトウェアアシュアランス ライセンス
    保守契約を含む永久ライセンスです。保守契約期間中、ユーザーは最新アップデート版にもアクセスができます。保守契約の期限が切れた後に更新はできません。保守契約期間内の更新版については契約満了後も使用可能です(永久ライセンス(バージョンアップ更新はできない))。
  • ダウングレード権付きライセンス
    オプションで古いバージョンのプログラムを使用する権利を含みます。このライセンスでは、顧客は後日すべてのクライアントを新しいバージョンに移行することができます。
  • アップグレード権付きライセンス
    オプションで新しいバージョンのプログラムを使用する権利を含みます。 (新しいバージョンがリリースされるまで収益は落ちない)。
  • 猶予期間ライセンス
    猶予期間ライセンス付きで配布されているソフトウェアは、ライセンス認証なしで一定期間使用できます。猶予期間が終了すると、アクティブ化の手配が必要になります。
  • ボリュームライセンス
    顧客へ必要な数をカバーするために多数ライセンスを使用可能にします。ソフトウェア発行者は、個々のコンピュータをアクティブにするか、またはシステム上において監視するかを定義できます。
  • 高可用性ライセンス
    ユーザーがリダンダントライセンスサーバを所有している場合に適用します。(「2 out of 3」の原則)。このアーキテクチャは、ライセンスサーバーに障害が発生した場合にソフトウェアの可用性を保証します。
  • ホットスタンバイ ライセンス
    ユーザーは、メインのライセンスサーバーに障害が発生した場合に使用できる2番目のライセンスサーバーまたは緊急ドングルを所有しています。バックアップサーバまたは緊急ドングルの使用はログに記録され、期間を制限することができます。
  • コールドスタンバイライセンス
    ユーザーは、メインのライセンスサーバーに障害が発生した場合に使用できる2番目のライセンスサーバーまたは緊急ドングルを所有しています。バックアップサーバまたは緊急ドングルの使用はログに記録され、期間を制限することができます。
  • オーバーフローライセンス
    ユーザーは、購入したボリュームよりも多くのライセンスを使用する権利があります。超過使用はログに記録され、有効期間とボリュームに関して制限される可能性があります。このモデルは実際に使用されるライセンスの請求を可能にします。
  • ライセンス借入
    ユーザーは、ローカルコンピュータで使用するためのライセンス(CmActLicense)またはCmDongleを一定期間借りる権利があります。この間、ライセンスはライセンスサーバーに割り当てられたままであり、それ以外では使用できません。借用期間が切れると、ライセンスは自動的にライセンスサーバー上で再度利用可能になり、ローカルでアクセスできなくなります。ライセンスを手動でサーバーに返却するか、借用ライセンスを更新することができます。
  • 譲渡可能ライセンス
    ユーザーは、ライセンスを他のPCまたはCmDongleに永久的に転送する権利があります。 オンラインまたはオフラインで実行できるのかを指定できます。
  • ユーザー固有ライセンス
    ライセンスはユーザー名に関連付けられています。
  • コンピュータライセンス
    ライセンスは特定のコンピュータ名に関連付けられています。
  • タイムゾーンライセンス
    ライセンスは、指定された地域(タイムゾーン)でのみ使用できます。
  • 国別ライセンス
    ソフトウェアベンダーがホワイトリストに登録しているか、ブラックリストから除外していない国でのみ使用できます。

Wibu-Systems CodeMeter製品の暗号化原理

CodeMeter製品の、標準化されている暗号化アルゴリズム+独自の暗号ソリューションによって
ライセンスを強力に保護

Wibu-Systems製品の顧客会社には、独自コードであるファームコード(Firm Code)が提供されます。
また、商品やユーザーごとに割り当てるプロダクトコード(Product Code)、フィーチャーマップ(Feature Map)などの、製品毎に異なるアイテムオプション(Product Item Option)、USBスティック内ハードウェアに格納される秘密鍵であるFirm Keyやシークレットデータ(Secret Data)の保存など、USB内のハードウェアで暗号キー(Key)を用いて暗号化します。

暗号化アルゴリズムは、AES256を採用しています。
暗号化のパターンは、大きく分けて「ストリーム暗号」と「ブロック暗号」の2種類です。
ビットやバイト単位で順番に暗号化するのがストリーム暗号、それに対し、決まった長さのデータごとに暗号化していくのがブロック暗号です。 AESはブロック暗号方式では標準的に使用される暗号化アルゴリズムになります。

AESは、鍵長やブロック長が可変の共通鍵方式のブロック暗号です。パラメータとしては3種類あり、128ビット、192ビット、256ビットのいずれかです。
AESは、DESなどの他のアルゴリズムに比べて、セキュリティを強化しながら高速処理ができる仕組みになっています。

AESの暗号化をもってしても、総当たり攻撃による脆弱性はあり、時間がかかるものの攻撃による解読は可能と言えます。そのため、出来る限り解読に時間が生じる「AES256」を利用するのが最善の手段のひとつとされています。
CodeMeterでサポートされているAES256暗号化では、簡単に解読されないように幾つかの独自技術を採用しています(Blurry BOX:暗号化技術)。
ソルトと言われるトラップを挿入したり、復号アルゴリズムを少し変更したり、攻撃者が複雑さによる解析速度の低下を促します。
*これらの暗号化については、追って掲載する別コラムにて解説予定です。